ネフライトは、広義的には翡翠(ひすい)の一種で、深い緑が美しいパワーストーンです。長寿や繁栄のシンボルとして、古くから大切にされてきました。
現代においてもネフライトは、身につけた人をネガティブなエネルギーや感情から守ってくれるといわれています。さまざまな効果を期待できる一方、価格が比較的お手頃で手に入れやすいのも魅力です。
今回は、そんなネフライトについて解説します。本物の見分け方や浄化の方法など詳しくお伝えするので、ネフライトが気になっている方は必見です。
ネフライトの石言葉と特徴・意味や期待
- 石言葉
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健康・長寿・繁栄・知恵
- 特徴
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緑や濃い緑、マグネシウムの含有量が多いとクリーミーな白色
- 意味
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腎臓
- 期待
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健康維持・疾病治癒、人間関係の改善や仕事の成功
ネフライトの石言葉は、「健康・長寿・繁栄・知恵」です。
かつて中国人やインディアンは、腎臓病に効く薬として、ネフライトで腎臓をマッサージしたり、粉にして飲んだりしていました。
スペイン軍が中南米を侵略した際、熱したネフライトの小石を腰に押し当てて腎臓を治療するインディアンと出会い、ネフライトを持ち帰ったという話もあります。
実はネフライトの名前も、腎臓を表すギリシャ語「Nephros」に由来しているんです。薬として用いられていた過去から転じて、現在は健康と長寿のシンボルとなっています。
詳しくは後述しますが、1800年代までネフライトは翡翠と同一視されていました。翡翠は東洋、特に中国では「王の宝石」として、上層階級の宝飾品に用いられています。そのためネフライトは、繁栄や人々を導く「知恵の象徴」という一面も持つ石です。
翡翠といえば、深緑色の印象が強いですよね。ネフライトも緑や濃い緑のものが多いです。しかしマグネシウムの含有量が多いと、クリーミーな白色になります。一般的なイメージとは異なるかもしれませんが、白いネフライトも柔らかい輝きが非常に美しいです。
期待できる効果
ネフライトの効果まとめ
- 災いや呪いを退ける
- 心身の安寧をもたらす
- 精神力を高める
- 困難を克服できる
- 目には見えない世界とのつながりを強める
- 成功や繁栄のチャンスを引き寄せる
- 人生の方向性や魂が求めるものを明らかにする
- 未練を断ち切り、新たな世界へ導く
ネフライトは、ネガティブなエネルギーや感情を遠ざけるといわれています。健康維持・疾病治癒に役立つだけではなく、人間関係の改善や仕事の成功も期待できます。悪意のある人たちは離れていき、代わりに良縁やチャンスが舞い込んでくるでしょう。
またネフライトは、集中力や忍耐力も強めてくれます。そのため難しいプロジェクトや長年の片思いなど、何かを成就させたいときにはピッタリの石です。
さらに、自然と人々をつなげる役割もあります。内なる魂の声を聞くための手助けをしてくれるので、スピリチュアルな力の応援が欲しいときには、ネフライトを身につけてみましょう。
ネフライトの言い伝え
ネフライトは病気の治療だけではなく、肉体と魂をつなぐ神聖な石として、儀式や神事に用いられてきました。例えばニュージーランドの先住民族マオリ族は、ネフライトで斧や武器のほか、さまざまな呪具を作ったことで知られています。
特に東洋では、緑は豊穣や再生をもたらす神秘の色と考えられていました。そのため緑色のネフライトも、生命エネルギーである「気」を含む貴重かつパワフルな石として大切にされて来た歴史を持ちます。
漢の時代には、死後の体を守り、魂に永遠の命を与えるために、ネフライトで皇族の死装束を作ったといわれています。また中国華僑の商人たちも、ビジネスの成功を願ってネフライトを身につけていました。
長い歴史の中、多くの人にとって、ネフライトは心強いお守りだったのです。
この石が欲しくなる時

ネフライトが欲しくなった時は、長期的な将来を考えるタイミングといえます。自分のキャリアについて考えたり、投資を始めてみたりすると、大きな成功や豊かさにつながりそうです。
また同時に、「過去に固執せず、前を向くべき」というメッセージでもあります。チャンスは目前に迫っているのに、あなたはまだ受け取る準備ができていないのかもしれません。
自分の中にある未練や執着に気づいているからこそ、精神力を強めるネフライトに心が惹かれているのです。思い切って人間関係や物を整理して、心身ともにスッキリしましょう。
ネフライトの産地
ネフライトは、アメリカ・カナダ・ニュージーランド・ロシア・台湾・中国など、世界各地で採掘されています。
また日本でも、富山県から新潟県にかけて存在する「ヒスイ海岸」では、ネフライトが採れるといわれています。興味のある方は、訪れてみるのもいいでしょう。
ネフライトの色や種類
ネフライトの色は、一般的には緑または濃い緑です。しかし白や黒のものもあり、それぞれ白ネフライトや黒ネフライトと呼ばれることがあります。
またキャッツアイのネフライトは、通常より強力なお守りになるといわれています。キャッツアイ自体が厄除けになるといわれており、ネガティブなものを退けるネフライトの効果をさらに高めてくれます。
ネフライトとジェイド(翡翠)の違い

ネフライトとジェイド(翡翠)は、化学組成や屈折率などが異なる別の鉱物です。しかし1800年代まで両者の区別がつかず、同一のものとして扱われてきました。
ネフライトのほうが硬度は低いので「軟玉」、ジェイドを「硬玉」と呼びます。紛らわしいのが、軟玉・硬玉をまとめて「翡翠」と呼ぶケースもあることです。その場合、ネフライトは翡翠の一種といえます。
日本で翡翠といえば一般的に硬玉のジェイドを指すのですが、海外ではひとまとめにされていることもあるので、購入時には注意が必要です。
ネフライトの最高級・本物の見分け方
ネフライトは、緑色が鮮やかでムラが少なく、透明度が高いもののほうが価格も上がります。
しかし実は最高級のネフライトは緑色ではなく、「羊脂玉(ようしぎょく)」と呼ばれる白色のものです。中国の新疆ウイグル自治区にある和田(ホータン)地区で採取されることから、「和田玉」とも呼ばれています。
またネフライトは、ジェイドに比べて比較的安価で手に入るので、偽物が作られること自体ほとんどありません。本物のネフライトを手に入れたいなら、偽物よりもジェイドと見分けることのほうが重要になるでしょう。
しかし長い間同一視されてきたことからも分かるとおり、両者は非常に似ています。素人が見た目で判断するのは、ほぼ不可能です。
海外ではネフライトとジェイドの区別が曖昧なので、ネフライトと明記されている日本のショップで買うか、鑑定書付きのものを買うのが確実といえます。
ネフライトとの相性/良い組み合わせの石
パワーストーンにも、オススメの組み合わせがあります。相性の良いパワーストーンを一緒にもつことで、お互いの力を高め合い、相乗効果を期待できるんです。
次の3つの石が、ネフライトと相性が良いといわれています。
ルビー
ジャスパー
ペリドット
ネフライトがもつチャンスを引き寄せる力や厄除けの効果を、さらに高めてくれるでしょう。それぞれの組み合わせについて、詳しく解説していきます。
ネフライトとルビーの組み合わせ

ネフライトとルビーの組み合わせは、あなたに勝利や成長をもたらすでしょう。ルビーには夢や願いを明確にし、それに向けて積極的に行動できるよう後押しする力があります。
理想を持っている場合、その理想への道筋が明確になって現実とのギャップに落ち込むこともあるかもしれません。しかしネフライトがもたらす素晴らしいインスピレーションや集中力のおかげで、苦しい状況も乗り越え、明るい未来を掴めるはずです。
またルビーは、誠実で情熱的な恋愛関係のシンボルでもあります。そのためネフライトの効果を恋愛面で活用したいときには、ルビーと組み合わせてみましょう。
ネフライトとジャスパーの組み合わせ

ネフライトとジャスパーを一緒に身につけることで、スピリチュアルな力を高められます。問題の解決策が突然閃いたり、トラブルを事前に察知できたりするかもしれません。
ネフライトとジャスパーはどちらも、自然や大地などの大いなる存在と人間の橋渡しをしてくれます。そのためこれまでにはない視点で、物事を多角的に捉えられるようになるはずです。
その結果、難しい状況でも良い決断ができて、経済的な豊かさにもつながります。目には見えない世界からのサポートが欲しいとき、オススメの組み合わせです。
ネフライトとペリドットの組み合わせ

ネフライトとペリドットは、持つ人のエネルギーを活性化させ、明るい方向へ導いてくれます。
ペリドットはネフライトと同様、ネガティブなパワーの浄化作用がある石です。執着を手放し、幸運を受け入れるために必要な変化をもたらしてくれます。
時には人間関係や環境が、大きく変わることもあるでしょう。しかしネフライトのおかげで精神力も高まっているので、うまく波に乗っていけます。
「現状を抜け出したい」「心機一転のきっかけがほしい」と思ったときには、この組み合わせで使ってみてください。
ネフライトの効果的な使い方
健康増進・気力向上の効果があるネフライトは、できる限り普段から身につけておくといいでしょう。
特に、石が肌に直接触れるネックレスやブレスレットはオススメです。ジェイドよりは安価かつ頑丈なので、普段使いしやすいものが見つかるでしょう。
また神聖な石として扱われてきたネフライトは、動物の像や仏像などを彫るのに用いられることもあります。アクセサリーをつけられない場合は、ネフライトの像を目に入る場所に置いてみてください。ネガティブなエネルギーから守ってくれます。
ネフライトの鉱物説明
ネフライトは、厳密にいえば鉱物名ではありません。緑閃石(アクチノライト)と透閃石(トレモライト)の結晶集合体を指します。
傷つきやすさを示すモース硬度は6〜6.5で、宝石の中では比較的低めです。しかし割れにくさを示す靭性では、ネフライトは優れています。そのためかつては、武器に使われたこともありました。
ジェイドは繊維状の組織がほぼ直角に近い角度で交わっているのに対して、ネフライトは斜めに交わっています。この「交差繊維状」の構造のおかげで、非常に割れにくくなっているんです。
ネフライト基本情報
英名 | Nephrite |
和名 | 軟玉 |
産地 | アメリカ・カナダ・ニュージーランド・ロシア・台湾・中国 |
色 | 白色・緑色・濃緑色・黄緑色・淡黄色・褐色・黒色 |
光沢 | 真珠光沢またはガラス光沢 |
成分 | Ca2(Mg,Fe2+)5(OH|Si4O11)2 |
硬度 | 6~6.5 |
比重 | 2.9~3.02 |
へき開性 | なし |
ネフライト浄化方法
太陽光 | 月光 | 塩 | クリスタル |
セージ | 流水 | 音 | お香 |
ネフライトは、さまざまな方法で浄化できます。ネックレスやブレスレットなど、頻繁に持ち歩くものについては、汚れも一緒に落とせる流水による浄化がオススメです。
ただし硬度は低めなので、表面に傷がつかないように洗った後は柔らかい布で拭きましょう。