古代中国で生まれた四柱推命は、陰陽五行説を基にしたとても的中率の高い占いです。四柱推命では生年月日と出生時間を「命式」という表に表し、それを用いることによって、その人の持って生まれた運勢や後天的な経験や努力で変わる運命を導き出すことができます。
今回は、四柱推命の命式の中に「比肩(ひけん)」という通変星を持つ人に焦点をあて、四柱推命における比肩の意味、比肩の人の性格や特徴・適職、他の通変星との相性などを詳しく解説します。
特に、ご自分や気になるお相手が比肩の星を持つ人には参考になること間違いなしですから、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
四柱推命における比肩の意味
四柱推命によって運勢を占うときには、まず「命式」という表を作成します。
命式は生まれた年月日と生まれた時間をそれぞれ「年柱・月柱・日柱・時柱」という四つの柱に見立て、それぞれの柱に「通変星」という星が割り当てられます。そして、その人の持って生まれた性格や運勢の特徴は、月柱にある通変星の種類を見るとわかります。
通変星は10種類あり、今回取り上げる比肩(ひけん)もそのうちの一つです。比肩は文字通り「人と肩を並べる」という意味がありますから、月柱に比肩が存在する人には、他人と比べて対等あるいはそれ以上でいたいという、意志の強さがあります。
それゆえ、比肩の人にはプライドが高い自信家が多いですが、どの人も押し並べて独立心旺盛で、一人でもバリバリ前に進んでいけるバイタリティーに溢れています。
比肩の人の性格や特徴
独立心旺盛
比肩の人は独立心旺盛です。自分一人になにかを任されれば、圧倒的な集中力とバイタリティーを発揮して生き生きと取り組んでいくでしょう。
意志が強く向上心溢れる人ですから、一度やり始めたことは諦めることなく最後まで粘り強く頑張り抜きます。
一方で比肩の人はプライドが高く負けず嫌いなので、他人に指図されたりグループの中の一人として組み込まれたりすることを嫌います。
人に頼ることも苦手ですから、誰にも邪魔されずに独立してマイペースに目標に向かって進んでいきたいと思うことは、この人にとってごく自然な流れであると言えるでしょう。
誰もが憧れるクールビューティー
命式に比肩がある人には美人が多いと言われています。実際に、女優の石田ゆり子さんや北川景子さんなど、比肩を持つ美人な有名人も多いです。
そんな比肩の人は、ルックスが美しいだけではなく、性格美人でもあることが特徴的。一見クールで近寄り難い雰囲気を醸し出していますが、本来は竹を割ったようなさっぱりした性格です。意外とお茶目なところもあったりしますよ。
また正義感がめっぽう強い比肩の人は、皆が逆らえないワンマン上司などにもビシッと物申せる強さも兼ね備えています。まさに誰もが憧れる「クールビューティー」の面目躍如です。
頑固一徹
比肩の人を語る上で外せない特徴の一つに「頑固さ」があります。自分に自信があり、信念に忠実ですから、周りと意見が食い違っても自分からはまず折れません。自分以外の人が全員賛成したとしても、自分が納得いかないことには最後まで反対します。
ただし、比肩の人は単なるワガママを通そうとするようなことはしないでしょう。比肩の人の言い分には必ず理由があるはずですから、そんなときは「また比肩さんが面倒くさいことを言い出した……」なんて思わずに、とりあえずこの人の話を聞いてみてくださいね。
さらにその頑固さは粘り強さと結びついており、誰もが諦めてしまう道でも成果を挙げることができます。
何事にも合理的な現実主義者
比肩の人は何事にも合理的で、現実を冷静に見据えることができます。ですから、自分の実力以上のことや苦手なことを、気合いと根性だけでがむしゃらに頑張るようなスタイルはとりません。
そんな現実主義者な比肩の人は、仕事では無駄を省いて効率良く結果を出す方法を徹底的に模索しますし、恋愛なら両思いの見込みがなさそうな人を追いかけるようなことはしないでしょう。
結果として、自分では至って無理なくマイペースにやっているつもりでも、仕事がとても迅速丁寧で評価されたり、「いいな」と思う人から告白されたりと、期せずして幸運を手にするチャンスに恵まれます。
物言いがストレート
比肩の人は歯に衣着せぬストレートな物言いをします。自分を抑えて他人に迎合することが苦手なので、もしかしたら、あまりこの人のことをよく知らない人からは「協調性のないワガママで性格の悪い人」に見えてしまうかもしれません。
ですが裏を返せば、比肩の人はとても感情がオープンで、思っていることが解りやすい人とも言えます。正義感も強く、裏でひそひそと陰口を叩くなんてことはしません。おかしいと思ったことは面と向かって指摘するタフな人です。
言われた方は、最初はキツイ言い方にびっくりしてしまうかもしれませんが、それを機にお互いにざっくばらんに意見をぶつけ合えれば、この人と本音で語り合える素敵な関係を築ける可能性が広がるでしょう。
比肩の恋愛傾向
比肩の人は、いわゆる「恋愛脳」ではありません。恋愛に興味ゼロというわけではないものの、仕事や趣味が充実しているときには恋愛よりもそちらを優先したいタイプです。
そんな性格ですから、比肩の人はお相手探しありきでガツガツと合コンに参加するようなことは滅多にないです。自ずと、仕事や趣味で出会った自分と同じような性格の異性と、少しずつ恋人へのステップを昇っていくことになるでしょう。
恋人同士になりたての頃は、お互いヘンに意識して口数少なくなってしまうかもしれません。ですが、穏やかなときを重ねて結婚を意識し出す頃には、二人は何でも本音でポンポン言い合え、同じ価値観を共有できる「同志」のようなカップルになっているはずです。
比肩の好きなタイプ
比肩の人は自分一人で何でもできる自立した人ですから、他人から束縛されたり依存されたりすることが大の苦手です。
そんなこの人が好きになるのは、必然的に自分と似たタイプの「精神的にしっかりしていて恋愛依存しない、さっぱりした性格の人」になるでしょう。
自己管理能力ばっちりの比肩の人は恋愛に溺れることはなさそうです。しかし、趣味や目指している方向が同じお相手となら価値観もぴったりで、日々の会話も弾むはず。会うごとに楽しいおしゃべりにワクワクして、「意外と恋愛もいいな」と思えること間違いなしです!
比肩の向いている仕事や適職
独立心旺盛でプライドが高い比肩の人は、昔ながらの会社勤めや上下関係の厳しい世界では自分の力を発揮できません。他人の指図に従ったり忖度したりすることが大の苦手であることを鑑みると、一番の適職は自分の裁量でどうにでもなる個人事業主です。
思い切って起業するも良し、フリーランスで自由に活動するも良し。自分にかかる責任は重大ですが、負けず嫌いの比肩の人ならライバルの存在をバネにして、合理的な戦略でどんどん羽ばたいていけるでしょう。
比肩の人は根っからの職人気質ですから、自分の得意なスキルを活かして新たなことを始めると成功しやすいようです。スポーツ家庭教師や犬猫用の手作りウェアのネット販売、トラベルライターなどは、密かに需要が高くて狙い目です!
比肩と他の通変星の相性
- 食神(しょくじん)
- 印綬(いんじゅ)
- 偏印(へんいん)
- 偏財(へんざい)
- 偏官(へんかん)
ここからは、比肩の人と相性の良い通変星・相性の悪い通変星について解説していきます。人との相性の良し悪しを把握しておくことは、良き人間関係を築く上で大いに参考になるでしょう。
相性が悪い通変星との関係改善のヒントも伝授していますから、「どうにか仲良くしたいんだけど……」というときには試してみてくださいね。
比肩と相性の良い通変星
比肩と一番相性が良い通変星は「食神(しょくじん)」です。お互いに良い影響を与え合えるベストな組み合わせと言えます。
食神の人は比肩の人とは違って何事にも楽観的な性格ですが、同時に、とても尽くすタイプでもあります。ですから、食神の人はバリバリ仕事に邁進していく比肩の人に尽くし、気持ちを癒やしてくれる良きパートナーになれるでしょう。
また、比肩の人は「印綬(いんじゅ)」の人とも相性が良いです。賢く情報通な印綬の人は、比肩の人に色々な知識を授けてくれるありがたい存在です。
ただ、多少前に進むためのパワーが不足しているところがあるので、その部分を比肩の人がサポートしていくことでお互いの長所が輝いてくるはずです。
さらに「偏印(へんいん)」の人も比肩の人とは比較的良い相性です。ケンカすることもありますが、仕事でも恋愛でもお互い上手に意思疎通を図っていくでしょう。
比肩と相性が悪い通変星
比肩と一番相性が悪い通変星は「偏財(へんざい)」です。頑固一徹の比肩の人と気配り上手で空気を読むのが得意な偏財の人は、なにかと意見が合わずぶつかることが多い相性です。
ですが、お互いに毛嫌いせずに少しずつ世間話などしてみると気持ちに変化が起こる可能性も。比肩の人の凝り固まった肩を偏財の人が優しくほぐしてくれる……なんてことも期待できるでしょう。
比肩の人は、偏財の人と同じ「偏」仲間の「偏官(へんかん)」の人とも相性が良くありません。比肩の人も偏官の人もどちらもバイタリティー溢れるタイプなので一緒に組んで上手くいくことも多いのですが、一旦スレ違うと修復の機会を逃してしまいがちです。
スレ違いそうになったら、「同じ釜の飯を食う」という諺のようにお互いにランチでもして気分転換するのが吉。ネガティブな気持ちが消えて、関係が軌道修正されるはずです。